1
00:00:07,298 --> 00:00:08,425
録音開始

2
00:00:09,509 --> 00:00:12,095
ベースキャンプにて　　　
アレックスにインタビュー

3
00:00:12,220 --> 00:00:13,054
始めよう

4
00:00:14,764 --> 00:00:18,309
さあ 盛り上げてくれよ

5
00:00:20,603 --> 00:00:21,813
楽しいな

6
00:00:26,526 --> 00:00:29,988
偉大な登山家といえば
アレックス･ロウです 

7
00:00:30,071 --> 00:00:34,200
山でアレックス･ロウに
並ぶ者はいません 　　

8
00:00:35,410 --> 00:00:37,662
世界トップクラスの
登山家です　　　　

9
00:00:37,746 --> 00:00:41,458
アメリカの英雄として　
世界に名をはせています

10
00:00:43,835 --> 00:00:47,630
トップクラスと言われる
登山家は—　　　　　　

11
00:00:47,756 --> 00:00:51,217
登るのをやめられないだけだ

12
00:00:54,095 --> 00:00:56,848
危険リスクに挑むことに—

13
00:00:58,141 --> 00:01:00,477
魅力を感じるんだ

14
00:01:01,853 --> 00:01:06,649
危険な状況を管理コントロールすることが　
好きなんだと思う　　　　　　

15
00:01:09,903 --> 00:01:15,158
家庭をお持ちだと知って
驚きました

16
00:01:16,785 --> 00:01:20,205
登山家は 家庭との両立が
難しいのでは？ 　　　　

17
00:01:20,371 --> 00:01:23,958
本当に大変ですが　
やりがいもあります

18
00:01:27,837 --> 00:01:28,838
家族構成は？

19
00:01:28,963 --> 00:01:32,092
妻のジェニファーと
息子が３人いる　　

20
00:01:32,592 --> 00:01:34,010
長男のマックスは10歳

21
00:01:39,182 --> 00:01:41,851
マックス　サム
アイザックだ　

22
00:01:51,945 --> 00:01:53,321
クセになるね

23
00:01:58,159 --> 00:01:59,702
最高だ

24
00:02:03,123 --> 00:02:08,378
伝説の登山家　　
～亡き父を追って

25
00:02:15,927 --> 00:02:18,471
モンタナ州ボーズマン

26
00:02:25,895 --> 00:02:29,023
スライドなんて　　
この20年 見てないな

27
00:02:39,534 --> 00:02:43,329
普通 改めて　　　　
見直すこともないよね

28
00:02:44,372 --> 00:02:49,961
家族のドキュメンタリー
を作るから 使うけどね

29
00:02:45,623 --> 00:02:49,961
マックス

30
00:02:50,503 --> 00:02:55,925
つらい記憶を掘り起こすのに
抵抗もあったけど…　　　　

31
00:02:57,427 --> 00:02:58,511
それは？

32
00:03:00,305 --> 00:03:02,682
アレックスの最後の記録だ

33
00:03:04,559 --> 00:03:07,061
〝午前６時　　　
チベットへ出発〟

34
00:03:15,111 --> 00:03:16,154
こんなに…

35
00:03:21,201 --> 00:03:23,286
ちゃんと入ってる？

36
00:03:26,164 --> 00:03:28,249
マックスね

37
00:03:28,416 --> 00:03:29,542
懐かしい

38
00:03:31,878 --> 00:03:35,506
それ私よ　　　　　　　
一緒に登った時の写真ね

39
00:03:35,840 --> 00:03:39,177
こんな写真　　　　
撮ったのも忘れてた

40
00:03:39,302 --> 00:03:41,346
〝シーン：ジェニー
テイク１〟　　　　

41
00:03:43,681 --> 00:03:45,600
髪がボサボサよ

42
00:03:47,477 --> 00:03:49,354
こういうヘアスタイルだ

43
00:03:47,977 --> 00:03:52,106
ジェニー

44
00:03:49,604 --> 00:03:52,106
わざとやってるの？

45
00:03:53,900 --> 00:03:56,653
かわいい　サムね

46
00:03:56,736 --> 00:04:00,365
こんな写真もあったのね
覚えてないわ　　　　　

47
00:04:07,747 --> 00:04:08,623
始める？

48
00:04:08,790 --> 00:04:09,374
いいか？

49
00:04:11,918 --> 00:04:13,086
ワクワクする？

50
00:04:14,754 --> 00:04:15,672
いや

51
00:04:14,754 --> 00:04:19,050
サム
真ん中の弟

52
00:04:16,339 --> 00:04:17,298
なぜ？

53
00:04:19,175 --> 00:04:20,927
不安なんだ

54
00:04:25,974 --> 00:04:29,352
写真を撮られる時は
いつもこの顔だった

55
00:04:32,397 --> 00:04:33,940
何が不安？

56
00:04:34,607 --> 00:04:37,360
すべての真実を知った時—

57
00:04:37,986 --> 00:04:40,571
受け入れられるかな

58
00:04:41,322 --> 00:04:43,825
かわいい服 着てる

59
00:04:44,242 --> 00:04:46,244
まだ赤ちゃんね

60
00:04:48,830 --> 00:04:53,501
なぜ この映画を
作ろうと思った？

61
00:04:54,419 --> 00:05:02,552
自分たちのことで まだ　　
知らない事実があると思った

62
00:04:56,296 --> 00:05:00,550
アイザック
末の弟

63
00:05:07,682 --> 00:05:10,643
初めてアレックスの写真が
出てきたわね　　　　　　

64
00:05:11,102 --> 00:05:12,228
ほら見て

65
00:05:15,898 --> 00:05:20,528
1999年10月５日
僕は10歳だった

66
00:05:21,237 --> 00:05:27,243
ママは取り乱して　　　　
感情を抑えきれないまま—

67
00:05:28,453 --> 00:05:31,039
〝パパがいなくなった〟
と言った　　　　　　　

68
00:05:34,083 --> 00:05:37,003
僕にとっては　　　　　
スーパーヒーローだった

69
00:05:39,672 --> 00:05:42,425
遺体は戻ってこなかった

70
00:05:45,803 --> 00:05:48,473
まるで宇宙に　　　
消えたみたいだった

71
00:05:52,643 --> 00:05:56,647
僕たち家族のことは
愛してたんだと思う

72
00:06:00,693 --> 00:06:01,694
だけど—

73
00:06:03,279 --> 00:06:05,573
彼は山に登り続けた

74
00:06:10,703 --> 00:06:13,414
家族の始まりから振り返ろう

75
00:06:14,707 --> 00:06:17,126
アレックスとの
なれそめは？　

76
00:06:19,670 --> 00:06:22,090
私が働いていた小さな店に—

77
00:06:23,383 --> 00:06:27,220
若くて はつらつとした
彼が入ってきた 　　　

78
00:06:27,804 --> 00:06:30,139
彼を見て思ったわ

79
00:06:30,348 --> 00:06:34,227
〝なんてエネルギッシュな
人だろう〟ってね　　　　

80
00:06:35,728 --> 00:06:38,940
シャギーのロングヘアで
薄汚れた山男　　　　　

81
00:06:39,190 --> 00:06:44,445
〝この人こそ理想の男性だ〟
と思った　　　　　　　　　

82
00:06:45,947 --> 00:06:48,366
彼に夢中になったわ

83
00:06:49,826 --> 00:06:55,581
でも相手は山男よ　　　　　
結婚はあり得ないと思ってた

84
00:06:55,832 --> 00:06:59,794
ただ彼との恋愛を
楽しんで—　　　

85
00:07:00,670 --> 00:07:04,632
いろいろな冒険ができれば
よかった　　　　　　　　

86
00:07:05,842 --> 00:07:09,971
２～３年　　　　　
そんな日々が続いた

87
00:07:10,930 --> 00:07:14,600
でも彼に　　　　　　
プロポーズされた時—

88
00:07:14,976 --> 00:07:19,063
溶けてしまいそうに
うれしくて—　　　

89
00:07:19,188 --> 00:07:21,149
すぐ〝イエス〟と答えた

90
00:07:22,650 --> 00:07:26,863
彼のいない人生は
考えられなかった

91
00:07:32,702 --> 00:07:33,870
いこうか

92
00:07:37,331 --> 00:07:39,625
彼の第一印象は？

93
00:07:41,419 --> 00:07:43,921
あんな人は初めてよ

94
00:07:44,213 --> 00:07:46,841
ジェニーとは 何度も　　　
クライミングに行ったけど—

95
00:07:44,213 --> 00:07:48,676
ジェニーの親友
アリス･フィニー

96
00:07:47,133 --> 00:07:48,676
いつも怖かった

97
00:07:50,678 --> 00:07:52,889
生きてるな

98
00:07:56,726 --> 00:07:57,477
楽しい

99
00:08:00,313 --> 00:08:05,067
彼は あふれんばかりの 
エネルギーに満ちていた

100
00:08:08,362 --> 00:08:11,824
それを発散させる必要が
あったの　　　　　　　

101
00:08:12,241 --> 00:08:13,951
絶対　やろう

102
00:08:16,370 --> 00:08:19,790
アレックスからの　
電話が鳴らないか—

103
00:08:19,874 --> 00:08:23,169
毎朝 恐怖におびえてた

104
00:08:23,336 --> 00:08:26,047
ある時 電話をとって—

105
00:08:25,254 --> 00:08:29,342
登攀とうはんパートナー
ビル･ベルコート

106
00:08:26,339 --> 00:08:29,342
〝ハロー〟と言ったら
こう返ってきたんだ　

107
00:08:29,383 --> 00:08:34,347
〝アレックスだ　午前４時に
うちに来てくれ〟　　　　　

108
00:08:34,805 --> 00:08:37,642
〝朝の４時？〟　　　
〝そうだ　じゃあな〟

109
00:08:37,767 --> 00:08:38,476
ガチャン

110
00:08:40,895 --> 00:08:42,980
彼とは いい友達だった

111
00:08:43,689 --> 00:08:48,486
登攀パートナー
アンドリュー･
マックリーン

112
00:08:43,940 --> 00:08:48,486
彼の誘いを断ることが
少なかったからかな

113
00:08:51,364 --> 00:08:53,741
でもレベルが違ってた

114
00:08:53,950 --> 00:08:56,035
いけそうか？

115
00:08:56,827 --> 00:08:58,538
果てしなく遠いね

116
00:08:58,704 --> 00:09:00,748
彼は いつも楽天的で—

117
00:09:00,915 --> 00:09:02,917
〝大丈夫　やれるよ〟と

118
00:09:04,293 --> 00:09:05,419
いい気分だ

119
00:09:05,545 --> 00:09:06,963
そうだね

120
00:09:11,175 --> 00:09:15,555
この荷物も映ってたほうが
画になるよ　　　　　　　

121
00:09:15,721 --> 00:09:16,347
そうか

122
00:09:16,597 --> 00:09:17,723
楽しんでる？

123
00:09:19,517 --> 00:09:22,812
無鉄砲な人だったの？

124
00:09:23,646 --> 00:09:24,438
どう？

125
00:09:24,522 --> 00:09:25,064
確かに…

126
00:09:25,106 --> 00:09:27,275
そう思って見てた？

127
00:09:27,441 --> 00:09:28,859
そうね

128
00:09:29,151 --> 00:09:30,361
思ってた

129
00:09:31,028 --> 00:09:35,950
でも彼は 本当に厳しい 　
トレーニングをしてたから

130
00:09:36,117 --> 00:09:39,036
無謀な挑戦もできたのよ

131
00:09:41,581 --> 00:09:44,250
家庭を持つことについては？

132
00:09:44,458 --> 00:09:49,380
彼は 自由に登山が 　　　
できなくなるのを恐れてた

133
00:09:49,505 --> 00:09:52,466
あなたを産むと決めたのは—

134
00:09:53,050 --> 00:09:57,930
彼と付き合い始めて
７年後だった　　　

135
00:10:01,726 --> 00:10:06,147
でも出産の時の彼を見たら
きっと驚くわよ　　　　　

136
00:10:07,023 --> 00:10:09,025
ただの新米パパだった

137
00:10:09,609 --> 00:10:12,778
長い腕で あなたを抱いてた

138
00:10:12,903 --> 00:10:14,363
彼は手も大きくて—

139
00:10:14,572 --> 00:10:19,493
私の手を　　　　　　　　　
包み込んでしまうほどだった

140
00:10:21,579 --> 00:10:24,665
君は やんちゃ坊主
だったから— 　　

141
00:10:24,957 --> 00:10:27,585
〝狂暴なマッドマックス〟と
呼んでた　　　　　　

142
00:10:28,961 --> 00:10:30,588
トラブル･メーカーだった

143
00:10:30,838 --> 00:10:35,676
早熟で 歩き出す前に
言葉を覚えて話してた

144
00:10:35,926 --> 00:10:37,511
〝マックス　　　　　
お誕生日おめでとう〟

145
00:10:39,263 --> 00:10:42,099
彼は 親としての 　
責任を果たそうと—

146
00:10:42,308 --> 00:10:45,811
油井関連会社に　　
勤めることにしたの

147
00:10:46,437 --> 00:10:50,900
この家を買って　　　
落ち着くつもりだった

148
00:10:51,442 --> 00:10:52,526
そんな時—

149
00:10:55,321 --> 00:10:57,031
エベレスト挑戦の話が

150
00:10:59,116 --> 00:11:03,454
会社を辞める気だったから
不安になった　　　　　　

151
00:11:04,538 --> 00:11:10,086
でも多額の報酬が　　　　　
約束されてたから賛成したの

152
00:11:11,295 --> 00:11:12,630
山を勧めたの？

153
00:11:12,963 --> 00:11:13,923
そうよ

154
00:11:16,676 --> 00:11:19,011
ワイルドな人だから—

155
00:11:19,553 --> 00:11:22,181
誰も止められない

156
00:11:23,516 --> 00:11:25,601
そこが魅力だった

157
00:11:27,603 --> 00:11:30,856
その後 ＮＢＣニュースから
電話があって— 　　　　　

158
00:11:31,774 --> 00:11:34,110
エベレストに登頂した—

159
00:11:34,193 --> 00:11:37,196
40人目のアメリカ人に
なったと聞いた　　　

160
00:11:38,364 --> 00:11:41,617
その週 あなたは
２歳になった 　

161
00:11:43,369 --> 00:11:46,247
登頂できて　　　
本当に幸運でした

162
00:11:46,330 --> 00:11:48,082
頂上は穏やかで—

163
00:11:48,791 --> 00:11:51,585
最高の気分を味わえました

164
00:11:52,628 --> 00:11:55,131
登山が彼の最優先事項？

165
00:11:55,631 --> 00:11:59,051
どうかしら　　　
それは分からない

166
00:12:01,762 --> 00:12:06,934
ただ登りたいという欲望は
尽きない人だった　　　　

167
00:12:08,310 --> 00:12:10,187
天職だったのね

168
00:12:10,312 --> 00:12:15,901
だけど あなたたちのことは
心から愛していたわ　　　

169
00:12:18,863 --> 00:12:25,035
大胆さと豊富な経験が
教えてくれるんだ　　

170
00:12:25,828 --> 00:12:26,871
自分の限界を

171
00:12:43,471 --> 00:12:45,431
さあ 始めようか

172
00:12:46,223 --> 00:12:51,479
コンラッド

173
00:12:48,100 --> 00:12:50,311
アレックスとの出会いを
覚えてる？　　　　　　

174
00:12:50,561 --> 00:12:51,479
ああ

175
00:12:53,856 --> 00:12:55,191
覚えてるよ

176
00:12:56,233 --> 00:12:58,944
お互いの名前は知ってた

177
00:12:59,570 --> 00:13:04,033
でも僕より称賛されていた
彼が町へ来て以来—　　　

178
00:13:05,117 --> 00:13:06,911
僕は〝２番手〟

179
00:13:08,496 --> 00:13:09,538
それでよかった

180
00:13:11,415 --> 00:13:14,752
朝 起きるなり 　　　
２人で登山に出かけた

181
00:13:14,835 --> 00:13:17,213
犬が 起きてすぐ 　
〝遊んでくれ〟と—

182
00:13:17,379 --> 00:13:19,924
せがむみたいにね

183
00:13:20,508 --> 00:13:23,427
本当に 起きた直後だよ

184
00:13:26,013 --> 00:13:29,892
実力がなければ　　　　
アレックスとは登れない

185
00:13:31,352 --> 00:13:34,855
コンラッドは　　
貴重な存在だった

186
00:13:36,565 --> 00:13:39,360
困難なルートを　
いかに速く登るか

187
00:13:41,862 --> 00:13:43,697
自分の限界に挑戦した

188
00:13:51,789 --> 00:13:53,415
コンラッドとアレックスは—

189
00:13:54,291 --> 00:13:55,793
いいパートナーだった

190
00:13:58,045 --> 00:13:59,922
コンラッド　スタート

191
00:14:00,047 --> 00:14:06,595
コンラッドはアレックスを
常に支える存在だった　　

192
00:14:07,137 --> 00:14:09,723
大胆不敵なリーダーだな

193
00:14:12,768 --> 00:14:13,727
低空飛行だ

194
00:14:14,353 --> 00:14:15,229
サイコー！

195
00:14:16,397 --> 00:14:19,900
２人は 登山業界では
有名だった 　　　　

196
00:14:20,526 --> 00:14:25,739
いろんな意味で 伝説的な
２人組として知られていた

197
00:14:25,906 --> 00:14:29,368
登山家／監督
ジミー･チン

198
00:14:26,490 --> 00:14:29,368
いわゆるスーパーヒーローさ

199
00:14:32,204 --> 00:14:35,666
驚くような挑戦を　
次々とやってのけた

200
00:14:35,749 --> 00:14:38,586
登山とは無関係の人でも—

201
00:14:38,669 --> 00:14:41,714
２人のことは知ってたよ

202
00:14:43,382 --> 00:14:45,843
〝ナショナル
ジオグラフィック〟

203
00:14:44,758 --> 00:14:47,303
突然 登山ブームが
起きたんだ 　　　

204
00:14:45,843 --> 00:14:47,303
〝アウトサイド〟

205
00:14:48,220 --> 00:14:54,059
企業も アスリートを 　　　
広告塔にしようと動き始めた

206
00:14:54,226 --> 00:14:55,686
〝ザ･ノース･フェイス〟

207
00:14:54,476 --> 00:14:58,480
ザ･ノース･フェイスとは
正式に契約を結んでた　

208
00:14:55,686 --> 00:14:56,854
〝コフラック〟

209
00:14:58,731 --> 00:15:01,775
驚いたよ　信じられなかった

210
00:15:05,112 --> 00:15:09,658
突然だったが　　　
プロ意識が芽生えて—

211
00:15:13,078 --> 00:15:13,579
燃えた

212
00:15:23,213 --> 00:15:25,174
アレックスと僕は—

213
00:15:26,425 --> 00:15:29,803
同じ情熱を持つ兄弟同然

214
00:15:30,137 --> 00:15:33,140
挑戦意欲は高まる一方だった

215
00:15:34,934 --> 00:15:37,227
登山家
アレックス･ロウ

216
00:15:35,893 --> 00:15:37,937
父親になっても—

217
00:15:38,020 --> 00:15:41,565
登山家を続けることに
抵抗は？

218
00:15:41,690 --> 00:15:43,400
葛藤はあります

219
00:15:43,609 --> 00:15:49,698
批判も多いのですが
リスクというものは—

220
00:15:49,823 --> 00:15:53,786
山だけでなく 普段の
生活にも潜んでいます

221
00:15:55,913 --> 00:15:59,458
家族持ちの登山家は
少なかったの？　　

222
00:15:59,583 --> 00:16:03,295
そりゃそうさ　　　　
登山家では珍しかった

223
00:16:03,337 --> 00:16:08,759
〝子供がいるなら もっと
責任感を持て〟って感じだ

224
00:16:08,884 --> 00:16:11,720
誕生日おめでとう　サム

225
00:16:08,884 --> 00:16:15,849
〝１９９３年８月12日〟

226
00:16:12,012 --> 00:16:15,849
誕生日おめでとう　サム

227
00:16:16,016 --> 00:16:19,561
誕生日おめでとう

228
00:16:20,104 --> 00:16:23,232
子育ては大変だった

229
00:16:25,150 --> 00:16:27,569
いつも１人だったから

230
00:16:28,737 --> 00:16:31,991
遠征ばかりしてる彼を
責めたわ　　　　　　

231
00:16:32,658 --> 00:16:36,286
〝子供たちには　
父親が必要なの〟

232
00:16:38,205 --> 00:16:41,792
〝もっと子供たちと
いてほしい〟と　　

233
00:16:42,084 --> 00:16:46,797
アイザックが生まれてからは
もっと大変だった　　　　　

234
00:16:48,215 --> 00:16:51,051
１年のうち　　　　　　
家を離れている期間は？

235
00:16:52,678 --> 00:16:54,555
妻に聞いてくれ

236
00:16:56,140 --> 00:16:57,099
奥さんの仕事は？

237
00:16:57,224 --> 00:16:59,435
アーティストだ
絵を描いてる　

238
00:16:59,560 --> 00:17:03,605
今のライフスタイルで
夫婦関係に問題は？　

239
00:17:03,814 --> 00:17:06,859
大変だが　　　　　　
互いに譲歩し合ってる

240
00:17:09,445 --> 00:17:15,409
仕事と母親業の両立は
簡単じゃなかった　　

241
00:17:16,201 --> 00:17:19,204
アレックスは　　　　　　　
〝聖ジェニファー〟と呼んだ

242
00:17:19,663 --> 00:17:25,586
遠征ばかりのアレックスを
理解して 受け入れてた　

243
00:17:26,587 --> 00:17:29,381
夫はコンラッドに嫉妬してた

244
00:17:29,590 --> 00:17:32,259
独身のコンラッドは—

245
00:17:32,426 --> 00:17:37,973
自由で いつでも身軽に
遠征に参加できた 　　

246
00:17:40,934 --> 00:17:43,020
自由に山に行けないのは—

247
00:17:44,229 --> 00:17:47,149
彼には耐えがたい苦痛だ

248
00:17:49,401 --> 00:17:53,655
檻おりに入れられた動物の
気分だっただろう　　

249
00:17:55,032 --> 00:18:00,746
彼はストレスをためこんで
時々 爆発したわ 　　　　

250
00:18:00,954 --> 00:18:04,166
怒鳴って 子供たちを
怯おびえさせた 　　　　

251
00:18:04,541 --> 00:18:07,044
彼は完璧なんかじゃなかった

252
00:18:09,129 --> 00:18:11,131
ごく普通の人間だった

253
00:18:14,760 --> 00:18:20,516
登山家として家庭との両立が
可能か聞いたことが？　　　

254
00:18:22,684 --> 00:18:26,230
あるわ　彼も苦しんでた

255
00:18:27,147 --> 00:18:29,566
長い手紙をくれたわ

256
00:18:30,025 --> 00:18:33,403
常に葛藤を抱えていたのよ

257
00:18:33,570 --> 00:18:37,991
彼は 別の人と 　　　
家庭を持ったほうが—

258
00:18:38,200 --> 00:18:41,995
私たちは幸せじゃないかと
感じてたの　　　　　　　

259
00:19:00,472 --> 00:19:04,935
長男のあなたは 弟たちより
彼をよく分かってた 　　　

260
00:19:08,105 --> 00:19:12,317
だから彼が　　　　　　
戻ってこなかった時も—

261
00:19:13,485 --> 00:19:17,197
死の意味を　　　　
ちゃんと理解してた

262
00:19:26,790 --> 00:19:32,421
南極大陸　　　　　　　
クイーン･モード･ランド

263
00:19:41,013 --> 00:19:45,517
クリスマスの　　　　　　　
　　　季節らしくなってきた

264
00:19:46,018 --> 00:19:49,479
どこへ行ってもね

265
00:19:49,813 --> 00:19:51,607
そこしか知らない

266
00:19:56,778 --> 00:19:58,947
〝メリークリスマス
ホー ホー ホー〟 　

267
00:19:59,281 --> 00:20:02,201
〝家族みんなの
愛をこめて—〟

268
00:20:02,367 --> 00:20:04,870
〝このカードを送ります〟

269
00:20:05,913 --> 00:20:09,124
〝子供たちが書いた
手紙も同封します〟

270
00:20:09,499 --> 00:20:10,834
これは誰かな

271
00:20:11,835 --> 00:20:12,878
マックスだ

272
00:20:13,712 --> 00:20:17,716
〝パパ　会いたいよ
は●や●帰ってきて〟　

273
00:20:18,842 --> 00:20:21,845
〝早く〟だな　　　　　　
〝フ●ァ●イオリンを弾こう〟

274
00:20:23,096 --> 00:20:27,434
〝一緒にビリヤードもしたい
マックスより〟　　　　　　

275
00:20:28,185 --> 00:20:29,853
ありがとう マックス

276
00:20:30,812 --> 00:20:32,940
クリスマスなのに—

277
00:20:33,732 --> 00:20:35,525
ひどい父親だな

278
00:20:44,618 --> 00:20:46,119
では アレックス

279
00:20:46,745 --> 00:20:52,042
南極大陸の山に　　　　　　
挑戦しようと思った理由は？

280
00:20:55,087 --> 00:20:59,883
僕は ここが地球上 　　
最後の秘境だと思ってる

281
00:21:00,884 --> 00:21:05,055
まるで別の惑星に　　
来たような気分になる

282
00:21:07,891 --> 00:21:11,436
でも年々 仕事が 
つらくなってきた

283
00:21:12,437 --> 00:21:16,483
家族と過ごせない　
葛藤のせいだと思う

284
00:21:16,817 --> 00:21:21,238
独身の時は 平気で何年も
テントで過ごしてた　　

285
00:21:21,405 --> 00:21:25,200
暇な時間は 本を読んで
過ごせばよかった　　

286
00:21:25,367 --> 00:21:27,369
今は そんな気になれない

287
00:21:35,711 --> 00:21:39,089
うまくいかない時は—

288
00:21:41,174 --> 00:21:46,471
早く家に帰って　　　　　
子供たちの顔が見たくなる

289
00:22:05,657 --> 00:22:07,492
マックス　話をしよう

290
00:22:08,243 --> 00:22:09,453
何を考えてる？

291
00:22:09,953 --> 00:22:10,912
何も…

292
00:22:13,623 --> 00:22:15,751
今日は何をする予定？

293
00:22:18,211 --> 00:22:18,879
スキー

294
00:22:19,046 --> 00:22:21,340
アイザック　それは？

295
00:22:24,551 --> 00:22:26,053
スキーヤーの朝食か

296
00:22:26,386 --> 00:22:27,262
次はサムだ

297
00:22:27,888 --> 00:22:29,931
スキーは好き？

298
00:22:30,182 --> 00:22:31,016
好き！

299
00:22:31,099 --> 00:22:32,893
どれぐらい好き？

300
00:22:33,518 --> 00:22:35,520
100万日 やりたい

301
00:22:36,563 --> 00:22:38,482
それは やりすぎだ

302
00:22:41,526 --> 00:22:43,737
映画に出たい？

303
00:22:50,911 --> 00:22:52,245
出られるぞ

304
00:23:11,723 --> 00:23:12,891
スキーは速い？

305
00:23:13,016 --> 00:23:13,892
うん

306
00:23:14,059 --> 00:23:15,936
すごく速い？

307
00:23:16,645 --> 00:23:18,105
こ●ぶ●も飛び越える？

308
00:23:19,106 --> 00:23:21,483
飛ばないか　なるほど

309
00:23:22,150 --> 00:23:27,280
アレックスが　　　　　　
どんな人だったか説明して

310
00:23:30,492 --> 00:23:32,202
正直 言って—

311
00:23:33,078 --> 00:23:37,749
説明できるのは　　　
彼の実績ぐらいなんだ

312
00:23:38,500 --> 00:23:40,210
よく覚えてない

313
00:23:42,170 --> 00:23:44,506
頑張れ　いいぞ

314
00:23:45,340 --> 00:23:46,508
上出来だ

315
00:23:47,092 --> 00:23:48,135
息子さん？

316
00:23:48,844 --> 00:23:53,056
大人になって これを見たら
恥ずかしいだろうな　　　

317
00:23:56,143 --> 00:23:57,727
何する気だ？

318
00:23:58,145 --> 00:23:59,938
お尻でスキー！

319
00:24:03,817 --> 00:24:05,360
楽しそうだね

320
00:24:05,569 --> 00:24:06,570
楽しいよ

321
00:24:07,028 --> 00:24:10,782
アレックスとの 
思い出は ある？

322
00:24:11,283 --> 00:24:13,452
ほとんどないんだ

323
00:24:14,619 --> 00:24:17,289
アレックスのことは—

324
00:24:19,458 --> 00:24:20,917
まるで…

325
00:24:23,170 --> 00:24:24,754
夢みたいに思える

326
00:24:24,921 --> 00:24:26,590
パパに会えて うれしい？

327
00:24:27,799 --> 00:24:29,384
ハグしてくれ

328
00:24:30,135 --> 00:24:33,013
まったく別の　　
人生だったのかな

329
00:24:33,263 --> 00:24:35,098
アレックスが生きてたら？

330
00:24:38,518 --> 00:24:40,187
それは よく考える

331
00:24:42,147 --> 00:24:47,652
アレックスは思い出の中で
美化されてしまってる　　

332
00:24:48,862 --> 00:24:51,448
まるで　　　　　　　　
スーパーマンみたいにね

333
00:24:53,366 --> 00:24:56,369
だから　　　　　　
もし彼が生きてたら—

334
00:24:56,995 --> 00:25:02,167
自分も もっと立派な人間に
なれたかもしれない　　　

335
00:25:02,876 --> 00:25:04,085
そう思う

336
00:25:09,508 --> 00:25:12,052
うちに帰る途中だ

337
00:25:12,761 --> 00:25:14,596
スキーでクタクタさ

338
00:25:16,681 --> 00:25:18,016
疲れたか？

339
00:25:20,310 --> 00:25:21,853
頑張って滑った？

340
00:25:22,354 --> 00:25:24,356
偉いな　サムは？

341
00:25:24,773 --> 00:25:26,107
疲れたのかな

342
00:25:27,526 --> 00:25:30,153
サム　疲れたか？

343
00:25:32,531 --> 00:25:34,866
みんな よく頑張ったな

344
00:25:36,117 --> 00:25:38,411
いいスキー仲間ができた

345
00:25:41,206 --> 00:25:42,165
うれしいよ

346
00:25:46,378 --> 00:25:49,839
彼が 最後に 　　　　　
帰ってきた時のことを？

347
00:25:50,924 --> 00:25:51,883
何となく…

348
00:25:55,262 --> 00:25:56,346
吹き消せ！

349
00:25:56,763 --> 00:25:58,139
一気にだ！

350
00:26:00,725 --> 00:26:04,104
ザ･ノース･フェイスが
遠征を企画してた　　

351
00:26:05,772 --> 00:26:08,275
目標はチベットの
シシャパンマ　　

352
00:26:09,401 --> 00:26:11,945
彼は乗り気じゃなかった

353
00:26:12,571 --> 00:26:16,199
戻ってきたばかりだったから

354
00:26:16,866 --> 00:26:19,536
辞退しようとしてたの

355
00:26:20,453 --> 00:26:22,205
〝エグザム･登山ガイド
＆クライミング･
スクール〟

356
00:26:22,205 --> 00:26:25,584
パパとロック･ 　　　　　　
クライミングに行ったでしょ

357
00:26:22,205 --> 00:26:27,002
〝エグザム･登山ガイド
＆クライミング･
スクール〟

358
00:26:25,584 --> 00:26:30,797
あなた ものすごく興奮して
うれしそうだった 　　　　

359
00:26:31,214 --> 00:26:32,757
その時の旅行で—

360
00:26:33,800 --> 00:26:36,886
あなたとパパの絆は深まった

361
00:26:41,891 --> 00:26:43,643
覚えてる？

362
00:26:43,935 --> 00:26:44,644
少しね

363
00:26:44,811 --> 00:26:45,979
少しだけ？

364
00:26:46,229 --> 00:26:49,899
悲しい気持ちに　
なったんでしょ？

365
00:26:51,109 --> 00:26:55,614
シシャパンマに行くべきか
聞かれたんだ　　　　　　

366
00:26:56,656 --> 00:26:57,949
知ってたわ

367
00:27:00,035 --> 00:27:01,661
何て答えた？

368
00:27:02,329 --> 00:27:03,955
〝パパは—〟

369
00:27:05,749 --> 00:27:09,336
〝行くべきだ〟と答えた

370
00:27:09,878 --> 00:27:11,504
〝しかたない〟と

371
00:27:11,630 --> 00:27:13,214
それが仕事だから

372
00:27:15,550 --> 00:27:16,551
そうね

373
00:27:17,510 --> 00:27:21,640
今まで 何度も自分に
言い聞かせてきた　

374
00:27:23,433 --> 00:27:25,310
あなたには—

375
00:27:28,063 --> 00:27:31,441
つらい思い出　　
だったでしょうね

376
00:27:34,486 --> 00:27:35,445
同じように—

377
00:27:38,073 --> 00:27:40,075
私にもあるわ

378
00:27:52,379 --> 00:27:56,174
コロラド州アスペン

379
00:27:58,134 --> 00:28:00,470
マックス　こっちだ

380
00:28:03,181 --> 00:28:06,893
〝シシャパンマ〟か　　　　
〝Ｓｈｉｓｈ〟と書いてある

381
00:28:08,895 --> 00:28:10,438
懐かしいな

382
00:28:11,439 --> 00:28:13,191
あったぞ

383
00:28:13,608 --> 00:28:15,193
これだ

384
00:28:16,361 --> 00:28:20,573
〝事故の
ＡＢＣニュース〟

385
00:28:18,154 --> 00:28:20,573
つらい映像だよ

386
00:28:21,116 --> 00:28:24,160
コンラッドの
インタビューだ

387
00:28:22,409 --> 00:28:24,661
１９９９年
シシャパンマ遠征隊

388
00:28:24,661 --> 00:28:27,205
映像作家
マイク･ブラウン

389
00:28:28,456 --> 00:28:31,793
僕の知らない事実が
映ってる？　　　　

390
00:28:32,001 --> 00:28:34,337
ああ　我々は知ってるが…

391
00:28:40,760 --> 00:28:42,721
覚悟してくれ

392
00:28:49,185 --> 00:28:49,936
いいかい？

393
00:28:50,186 --> 00:28:52,439
〝シシャパンマ
ブラウン／ハーベイ〟

394
00:28:50,186 --> 00:28:52,439
音声 回った

395
00:28:57,360 --> 00:29:02,115
1999年９月　　　　
チベット　ヒマラヤ

396
00:29:06,494 --> 00:29:07,495
何だろう？

397
00:29:08,079 --> 00:29:09,122
さあね

398
00:29:09,414 --> 00:29:10,373
鳥かな

399
00:29:15,253 --> 00:29:19,340
シシャパンマの南側を　　　
スキーで滑降する予定だった

400
00:29:21,426 --> 00:29:23,511
かなりワイルドで—

401
00:29:25,638 --> 00:29:28,558
クレイジーな企画だった

402
00:29:36,399 --> 00:29:38,860
山には危険が潜んでる

403
00:29:39,027 --> 00:29:42,947
平地より　　　　　　　
天気も変わりやすいし—

404
00:29:43,072 --> 00:29:48,077
岩の割れ目の積雪など　
足場が不安定な所も多い

405
00:29:49,245 --> 00:29:51,915
不要なリスクは避けたい

406
00:30:07,138 --> 00:30:08,890
ワクワクするね！

407
00:30:13,061 --> 00:30:14,312
ここは？

408
00:30:14,479 --> 00:30:18,441
我らが至福の地　
ベースキャンプだ

409
00:30:18,650 --> 00:30:22,529
ここを基点に　　
山を存分に楽しむ

410
00:30:24,531 --> 00:30:26,366
来られてよかったな

411
00:30:27,617 --> 00:30:30,161
目的地が近づいてきた

412
00:30:30,328 --> 00:30:33,039
ここまで来ると　　
テンションが上がる

413
00:30:36,668 --> 00:30:41,506
カメラマン
デヴィッド･ブリッジス

414
00:30:37,710 --> 00:30:41,506
ひげを剃そってる
ちょっとだけな

415
00:30:47,637 --> 00:30:49,931
彼に信頼されてた？

416
00:30:52,016 --> 00:30:54,352
あの時は 同じテントで寝た

417
00:30:56,521 --> 00:30:59,566
彼は 遠征ばかりの生活が—

418
00:31:01,067 --> 00:31:05,196
家庭崩壊を招くと分かってた

419
00:31:10,076 --> 00:31:12,245
常に家族を思ってたよ

420
00:31:13,246 --> 00:31:16,040
ディズニーランドの
話をしてた　　　　

421
00:31:16,291 --> 00:31:19,419
君たちが行きたがってたとね

422
00:31:19,627 --> 00:31:21,296
子供たちの本音を聞いて—

423
00:31:21,462 --> 00:31:26,009
その望みを　　　　
かなえたがってたよ

424
00:31:32,348 --> 00:31:33,558
積雪量は？

425
00:31:33,766 --> 00:31:36,311
かなり積もってる

426
00:31:36,477 --> 00:31:38,521
雪崩も頻繁に起きてる

427
00:31:36,477 --> 00:31:39,647
登山家
ベルント･エーベルレ

428
00:31:39,772 --> 00:31:41,190
雪質は？

429
00:31:41,316 --> 00:31:43,484
粉雪が降って—

430
00:31:43,902 --> 00:31:48,364
昨日も 夜になって　
いくつか雪崩がおきた

431
00:31:49,032 --> 00:31:50,241
夜か

432
00:31:51,492 --> 00:31:55,079
つまり　　　　　　　　　
午後は避けろってことだね

433
00:31:55,705 --> 00:31:56,331
早朝だな

434
00:31:57,290 --> 00:31:58,833
それが安全だ

435
00:32:00,335 --> 00:32:01,502
いつもどおり

436
00:32:05,798 --> 00:32:06,925
決まりだ

437
00:32:30,031 --> 00:32:30,865
やあ

438
00:32:32,408 --> 00:32:34,243
パウダー･スノーだな

439
00:32:40,541 --> 00:32:42,919
こんな日はラテがうまい

440
00:32:43,002 --> 00:32:43,795
そうだな

441
00:32:45,296 --> 00:32:49,592
あの日のことを　　　　　
できるだけ詳しく知りたい

442
00:32:53,680 --> 00:32:54,263
よし

443
00:32:55,348 --> 00:32:57,600
休息日の予定だった

444
00:32:57,892 --> 00:32:59,560
アンドリュー　ラテだ

445
00:32:59,727 --> 00:33:02,313
力は あり余っていたけどね

446
00:33:02,647 --> 00:33:04,190
〈ありがとうグラッツェ〉

447
00:33:05,441 --> 00:33:08,945
雪の朝は これが最高だ

448
00:33:33,720 --> 00:33:38,057
上を見上げると…

449
00:33:38,850 --> 00:33:40,935
雪崩が向かってきた

450
00:33:47,108 --> 00:33:49,318
生き残るために—

451
00:33:49,402 --> 00:33:53,906
みんな 自分の直感に従って
動いた　　　　　　　　　

452
00:33:53,948 --> 00:33:59,871
僕は アレックスたちとは
逆方向へ逃げた　　　　

453
00:34:02,540 --> 00:34:04,459
雪に足を取られ—

454
00:34:06,878 --> 00:34:09,881
自分は今日 死ぬんだと
思った 　　　　　　　

455
00:34:11,049 --> 00:34:12,467
死が迫っていた

456
00:34:54,592 --> 00:34:55,343
いいよ

457
00:34:57,845 --> 00:35:02,642
頭をケガした時のことを
話してくれ　　　　　　

458
00:35:06,729 --> 00:35:08,648
雪崩から逃げたんだ

459
00:35:13,236 --> 00:35:15,196
２人はダメだった

460
00:35:15,905 --> 00:35:18,407
デヴィッドと　　
アレックス･ロウだ

461
00:35:22,411 --> 00:35:25,456
うまくクレバスに
はまって—　　　

462
00:35:25,706 --> 00:35:31,087
生き延びた可能性もあるが
見つけるのは難しい　　　

463
00:35:34,090 --> 00:35:37,135
発信器も持ってないから—

464
00:35:37,426 --> 00:35:40,888
手袋でも見つかれば
ラッキーだ　　　　

465
00:35:42,932 --> 00:35:44,267
見つかればな

466
00:35:54,152 --> 00:35:57,029
あそこが　　　　　　
雪崩に遭遇した場所？

467
00:35:57,155 --> 00:35:59,782
あの雪塊がある辺りだ

468
00:36:13,880 --> 00:36:14,881
ここ？

469
00:36:19,468 --> 00:36:21,220
あれ見ろよ

470
00:36:21,470 --> 00:36:22,722
また崩れてる

471
00:36:22,889 --> 00:36:24,098
やばいな

472
00:36:24,765 --> 00:36:27,685
こんな所にいたら危険だ

473
00:36:29,020 --> 00:36:31,772
どこも崩れやすくなってる

474
00:36:32,398 --> 00:36:35,359
早く見つかることを祈るよ

475
00:36:37,028 --> 00:36:40,406
アレックスなら
手を振りながら—

476
00:36:41,199 --> 00:36:43,284
現れる気がしてた

477
00:36:46,287 --> 00:36:51,500
２人の友達が どこかに 　　
埋まってるなんて妙な気分だ

478
00:36:55,755 --> 00:36:59,008
雪崩の後　　　　　　　
どうすることもできず—

479
00:36:59,091 --> 00:37:03,137
ただアレックスの名を
呼び続けた　　　　　

480
00:37:03,471 --> 00:37:06,933
辺りは不気味なほど
静かだった　　　　

481
00:37:10,102 --> 00:37:11,395
どうだい？

482
00:37:21,948 --> 00:37:23,491
他には何が？

483
00:37:24,367 --> 00:37:26,994
同じような映像だ

484
00:37:34,210 --> 00:37:36,003
ありがとう

485
00:37:38,047 --> 00:37:39,215
つらいな

486
00:37:58,734 --> 00:38:00,319
あの日の朝…

487
00:38:04,115 --> 00:38:07,618
あなたとサムを　
学校まで送って—

488
00:38:08,744 --> 00:38:12,123
アイザックと自宅に戻った

489
00:38:18,170 --> 00:38:20,006
電話が鳴って—

490
00:38:20,256 --> 00:38:24,510
よく聞こえないから　
アレックスかと思って

491
00:38:24,677 --> 00:38:27,179
何度か彼の名前を呼んだわ

492
00:38:27,305 --> 00:38:32,268
ようやく聞こえたのは　
アンドリューの声だった

493
00:38:32,643 --> 00:38:36,439
震える声で　　　　　
状況を説明してくれた

494
00:38:37,648 --> 00:38:41,861
雪崩が起きたことを伝えて
彼は こう言った　　　　

495
00:38:42,820 --> 00:38:46,073
〝アレックスは　　　
埋まってしまった〟と

496
00:38:47,742 --> 00:38:51,871
その後 僕が直接　　
ジェニファーに伝えた

497
00:38:53,914 --> 00:38:55,458
〝２人は消えた〟と…

498
00:38:57,126 --> 00:39:01,422
コンラッドは 必死で彼女を
なだめようとしてた　　　

499
00:39:02,340 --> 00:39:05,509
〝アレックスを捜して〟と
言われてね　　　　　　　

500
00:39:16,020 --> 00:39:21,400
ＫＴＶＭステーション42
６時のニュースです

501
00:39:22,943 --> 00:39:26,113
〝ロウ氏〟

502
00:39:22,943 --> 00:39:26,113
アレックス･ロウ氏の捜索が
打ち切られました 　　　　

503
00:39:26,238 --> 00:39:30,576
伝説の登山家とデヴィッド･
ブリッジス氏の遺体は— 　

504
00:39:30,743 --> 00:39:34,538
ヒマラヤの雪に　　　　　
埋まったままと思われます

505
00:39:36,749 --> 00:39:41,295
シシャパンマ遠征隊は　
２人の大切な仲間を失い—

506
00:39:41,670 --> 00:39:43,381
悲しみにくれている

507
00:39:43,589 --> 00:39:48,094
僕にとってアレックスは
最も身近な友人だった　

508
00:39:48,260 --> 00:39:51,472
彼の妻 ジェニファーと

509
00:39:51,764 --> 00:39:56,560
３人の息子 マックス
サム　アイザックに—

510
00:39:57,395 --> 00:40:00,439
心よりお悔やみ申し上げる

511
00:40:01,065 --> 00:40:03,776
以上 コンラッドより

512
00:40:28,551 --> 00:40:30,344
死んだと確信が？

513
00:40:33,597 --> 00:40:35,307
ああ　あったよ

514
00:40:36,100 --> 00:40:39,353
生存の可能性はなかった

515
00:40:49,280 --> 00:40:52,241
〝アレックス･ロウ〟

516
00:40:55,995 --> 00:41:00,124
最初の数日間は　　　　
望みを捨てきれなかった

517
00:41:00,207 --> 00:41:04,378
彼がクレバスから　　　
はい出してくる気がした

518
00:41:07,256 --> 00:41:09,341
彼は超人だったから…

519
00:41:15,556 --> 00:41:20,978
朝 ポーチに出て 　　
絶望したのを覚えてる

520
00:41:22,646 --> 00:41:27,860
〝アレックス･ロウ死亡〟
それが新聞の見出しだった

521
00:41:28,569 --> 00:41:31,155
現実を突きつけられたわ

522
00:41:34,200 --> 00:41:36,744
アイザックは　
まだ３歳だった

523
00:41:37,203 --> 00:41:41,624
何も分からないと思って　
あの子の前で泣いてたら—

524
00:41:41,999 --> 00:41:47,838
こう言ったの　　　　　　
〝ママ　もう泣かないで〟

525
00:41:48,047 --> 00:41:52,468
〝泣かなくていいよ
大丈夫だから〟って…

526
00:41:52,801 --> 00:41:54,720
まだ３歳なのに…

527
00:41:58,474 --> 00:42:02,353
子供たちのことを思うと
本当につらかった　　　

528
00:42:02,436 --> 00:42:07,066
あの子たちの前では
泣かないようにして—

529
00:42:07,358 --> 00:42:09,276
シャワールームで泣いた

530
00:42:09,985 --> 00:42:14,573
彼の荷物を片付ける前に
オフィスに行ったんだ　

531
00:42:14,782 --> 00:42:18,911
もう父親には会えないんだと
実感した　　　　　　　　　

532
00:42:19,703 --> 00:42:23,916
彼のことで泣いたのは
それが初めてだった　

533
00:42:25,334 --> 00:42:27,044
どんな気持ちだった？

534
00:42:27,836 --> 00:42:29,630
怖かった

535
00:42:31,590 --> 00:42:34,009
悲しくて 混乱してた

536
00:42:36,053 --> 00:42:38,472
サムは こう言ってたわ

537
00:42:38,973 --> 00:42:42,476
〝遺体を見つけて　
クローンを作ろう〟

538
00:42:43,435 --> 00:42:45,187
〝生き返らせよう〟ってね

539
00:43:17,177 --> 00:43:19,722
すぐに葬儀をしたわ

540
00:43:19,847 --> 00:43:24,518
以前 展示会で
使ったベルです

541
00:43:24,768 --> 00:43:26,854
事故の１週間後よ

542
00:43:28,439 --> 00:43:31,483
早く終わらせたかった

543
00:43:33,027 --> 00:43:38,324
彼は息子たちを誇りに思い
心から愛していました　　

544
00:43:39,074 --> 00:43:44,705
登山家と父親の両立に
悩んではいましたが—

545
00:43:45,706 --> 00:43:48,584
〝家族は人生の宝だ〟

546
00:43:48,709 --> 00:43:52,129
そう言った彼の言葉を
私は信じます　　　　

547
00:43:57,009 --> 00:43:58,719
覚えてないんだ

548
00:43:59,678 --> 00:44:02,514
つらい記憶だから
消去したのかな　

549
00:44:05,643 --> 00:44:07,770
当時 僕に変化は？

550
00:44:09,605 --> 00:44:12,316
よく屋根の上に座ってた

551
00:44:12,608 --> 00:44:16,820
そこで泣いたり　　　　　
考え事をしてたんだと思う

552
00:44:20,824 --> 00:44:25,913
自分が家族を支えようと
思ってたのね　　　　　

553
00:44:26,163 --> 00:44:27,706
かかった

554
00:44:27,831 --> 00:44:29,458
やれる？

555
00:44:32,920 --> 00:44:35,798
私を守ろうとしてた

556
00:44:36,757 --> 00:44:38,509
弟たちのこともね

557
00:44:41,428 --> 00:44:44,932
まだ父親は帰ってくると
思ってた　　　　　　　

558
00:44:47,935 --> 00:44:50,229
諦めてなかったのよ

559
00:45:01,323 --> 00:45:02,658
これは—

560
00:45:04,243 --> 00:45:06,787
僕宛てのバースデーカードだ

561
00:45:07,955 --> 00:45:11,166
シシャパンマ遠征中に
描いて—　　　　　　

562
00:45:11,709 --> 00:45:14,128
ベースキャンプから
発送した　　　　　

563
00:45:14,294 --> 00:45:18,006
だから僕が受け取ったのは
雪崩の後だ　　　　　　　

564
00:45:15,003 --> 00:45:18,674
〝誕生日おめでとう
マックス〟

565
00:45:18,882 --> 00:45:22,553
だから　　　　　　
これを受け取った時—

566
00:45:23,262 --> 00:45:27,850
生き延びた彼が　　　　　
送ってくれたと思ったんだ

567
00:45:28,016 --> 00:45:32,020
〝本当は生きてたんだ〟とね

568
00:45:34,773 --> 00:45:40,070
アレックスと一緒に　　　　
僕の心も凍り付いてしまった

569
00:45:45,701 --> 00:45:51,540
登山家 アレックス･
ロウが雪崩で死亡

570
00:45:47,244 --> 00:45:47,953
〝フォックス７
ニュース〟

571
00:45:51,749 --> 00:45:55,043
登山家たちの間で　
スター的存在でした

572
00:45:55,252 --> 00:45:58,589
これはアレックスが—

573
00:45:58,672 --> 00:46:01,800
負傷した登山者を　　
背負っている写真です

574
00:46:01,967 --> 00:46:04,845
現代のマルコ･ポーロと
呼ばれ… 　　　　　　

575
00:46:05,053 --> 00:46:07,389
100年に１人の逸材だ

576
00:46:07,473 --> 00:46:10,142
３人の息子の　　
父親でもあります

577
00:46:11,143 --> 00:46:15,397
〝友人は死亡
波乱の人生〟

578
00:46:15,481 --> 00:46:16,857
運がよかっただけだ

579
00:46:17,399 --> 00:46:21,153
〝唯一の生存者
コンラッド･アンカー〟

580
00:46:18,692 --> 00:46:21,153
罪悪感に苦しんだ

581
00:46:22,154 --> 00:46:24,698
一番つらかったのは—

582
00:46:26,074 --> 00:46:30,871
常にネガティブな考えが
頭に浮かぶことだ　　　

583
00:46:32,289 --> 00:46:33,373
どんな考え？

584
00:46:34,416 --> 00:46:38,504
死にたくなってしまうんだ

585
00:46:39,713 --> 00:46:42,216
自分のことを—

586
00:46:43,050 --> 00:46:46,303
価値のない人間だと
思ってしまう　　　

587
00:46:47,971 --> 00:46:49,014
自分のほうが…

588
00:46:50,432 --> 00:46:52,684
死ねばよかったと…

589
00:46:56,897 --> 00:46:58,982
彼が生きていれば—

590
00:46:59,066 --> 00:47:03,695
いろいろなことが 　　　
父親として できたはずだ

591
00:47:07,741 --> 00:47:13,247
アレックスのために　　　
自分に何ができるか考えた

592
00:47:21,880 --> 00:47:23,340
そして車で…

593
00:47:27,803 --> 00:47:33,058
モンタナへ向かった　　　
クリスマスを過ごすためだ

594
00:47:33,642 --> 00:47:36,186
君たち家族とね

595
00:47:52,703 --> 00:47:57,249
コンラッドが来た時のことは
覚えてる　　　　　　　　　

596
00:48:00,335 --> 00:48:04,464
今にも泣き出しそうな彼が
玄関に立ってた　　　　　

597
00:48:04,798 --> 00:48:08,552
私が抱きしめると
彼は こう言ったわ

598
00:48:08,719 --> 00:48:11,263
〝一緒にディズニーランドに
行こう〟　　　　　　　　　

599
00:48:12,514 --> 00:48:15,934
〝アレックスの望みを
僕がかなえる〟　　　

600
00:48:35,787 --> 00:48:37,247
楽しかった

601
00:48:37,789 --> 00:48:40,167
ぐるっと回ったな

602
00:48:45,047 --> 00:48:49,468
彼といると アレックスと
一緒にいるようだった 　

603
00:48:50,677 --> 00:48:54,431
一緒にいるのが　　　　
とても自然に感じられた

604
00:48:57,059 --> 00:48:58,810
当時を覚えてる？

605
00:49:00,020 --> 00:49:01,813
心地よかった

606
00:49:05,275 --> 00:49:09,738
また家族全員が　　　
そろったように思えた

607
00:49:11,531 --> 00:49:14,076
〝氷の海〟

608
00:49:15,577 --> 00:49:17,329
サムに聞かれたんだ

609
00:49:18,246 --> 00:49:20,123
〝パパになってくれる？〟

610
00:49:21,166 --> 00:49:23,961
ジェニファーは驚いてた

611
00:49:26,213 --> 00:49:28,632
でも あの時—

612
00:49:31,259 --> 00:49:33,637
僕もジェニファーも…

613
00:49:35,013 --> 00:49:40,352
自分の気持ちを　　
口には出さなかった

614
00:49:42,896 --> 00:49:44,356
その時はね

615
00:49:59,871 --> 00:50:02,582
未来は分からないものね

616
00:50:09,006 --> 00:50:14,553
いつママに 友達以上の
気持ちを抱いたの？　

617
00:50:17,681 --> 00:50:18,765
いつかな

618
00:50:20,600 --> 00:50:25,313
いつコンラッドに恋愛感情を
持ったか覚えてる？　　　　

619
00:50:26,398 --> 00:50:27,399
ええ

620
00:50:31,028 --> 00:50:33,405
彼が訪ねてきて—

621
00:50:34,281 --> 00:50:39,703
心が通い始めたのには
お互い 気づいてた 　

622
00:50:43,123 --> 00:50:45,751
でも その話はしなかった

623
00:50:49,087 --> 00:50:50,589
驚いた？

624
00:50:53,592 --> 00:50:57,763
お互いの気持ちには
気づいていて—　　

625
00:50:58,221 --> 00:51:00,015
なりゆきに任せた

626
00:51:02,768 --> 00:51:06,271
だんだん育っていく
恋愛感情を—　　　

627
00:51:07,189 --> 00:51:09,858
自然に受け入れた

628
00:51:14,738 --> 00:51:17,365
雪崩から３ヵ月後—

629
00:51:19,242 --> 00:51:21,536
僕たちは恋に落ちた

630
00:51:26,291 --> 00:51:29,878
怒りや悲しみに満ちていた？

631
00:51:30,003 --> 00:51:33,256
誰でも そうだと思うわ

632
00:51:33,507 --> 00:51:35,592
愛する人を失ったら—

633
00:51:36,426 --> 00:51:38,512
動揺し 怖くなる

634
00:51:39,304 --> 00:51:41,014
受け入れられない

635
00:51:43,141 --> 00:51:45,310
暗黙の了解でした

636
00:51:46,144 --> 00:51:48,105
生き残ったほうが—

637
00:51:48,605 --> 00:51:51,817
遺族を支えようと決めてた

638
00:51:51,983 --> 00:51:56,613
コンラッドに電話して　
〝助けて〟と言えます？

639
00:51:57,239 --> 00:52:00,408
もう何度も言ってるわ

640
00:52:01,868 --> 00:52:03,411
必ず来てくれる

641
00:52:04,621 --> 00:52:07,374
これはご主人からの手紙です

642
00:52:07,541 --> 00:52:11,419
〝きれいなワスレナグサが
咲いてるよ〟　　　　　　

643
00:52:11,586 --> 00:52:14,339
〝今度 作品を描く時は—〟

644
00:52:14,422 --> 00:52:19,803
〝この花を 僕らの愛の　
象徴として描いてほしい〟

645
00:52:20,971 --> 00:52:24,141
〝無限の愛をこめて
アレックスより〟　

646
00:52:24,349 --> 00:52:25,559
今でも—

647
00:52:26,226 --> 00:52:28,436
彼の愛を感じるわ

648
00:52:31,439 --> 00:52:32,858
当時は—

649
00:52:35,318 --> 00:52:36,945
大変だった？

650
00:52:37,154 --> 00:52:40,991
僕たちは　　　　　　
愛し合っていただけだ

651
00:52:44,077 --> 00:52:45,704
それ以外の—

652
00:52:46,580 --> 00:52:51,877
ややこしいことは　　
考えないようにしてた

653
00:52:53,920 --> 00:52:56,590
一度 キスしてるのを見た

654
00:52:57,465 --> 00:52:59,301
覚えてるわ

655
00:52:59,634 --> 00:53:04,598
〝なぜパパ以外を　　　　　
愛せるの？〟と反発したわね

656
00:53:06,057 --> 00:53:09,728
最初はコンラッドを
受け入れなかった　

657
00:53:10,020 --> 00:53:14,482
〝パパが戻ってきたら　　
どうするの？〟と言ってた

658
00:53:16,860 --> 00:53:20,322
アレックスが生きてると
信じてたのね　　　　　

659
00:53:22,032 --> 00:53:27,579
でも すべて私が　　　　
アレックスを愛した証しよ

660
00:53:27,829 --> 00:53:33,168
彼と過ごした日々を　
悲しい過去にするより—

661
00:53:35,045 --> 00:53:40,634
他の誰かを愛せる未来に
つなげたかった　　　　

662
00:53:42,135 --> 00:53:43,428
価値ある未来に

663
00:53:44,512 --> 00:53:45,597
どうして？

664
00:53:46,056 --> 00:53:49,059
愛することに価値はないと？

665
00:53:49,226 --> 00:53:50,852
僕には…

666
00:53:52,896 --> 00:53:54,522
信じられなかった

667
00:53:55,774 --> 00:53:59,653
あんな悲しいことが
あったのに—　　　

668
00:54:00,987 --> 00:54:04,241
すぐに別の人と
再婚するなんて…

669
00:54:04,449 --> 00:54:07,494
３人の子供を育ててると—

670
00:54:08,328 --> 00:54:11,539
あっという間に　
時間が過ぎていく

671
00:54:12,040 --> 00:54:17,379
何かしたいなら すぐに
決断しなきゃと思った

672
00:54:18,004 --> 00:54:20,590
ためらってる暇はなかった

673
00:54:21,883 --> 00:54:24,594
いろいろ考え過ぎるより—

674
00:54:25,178 --> 00:54:26,888
行動に移した

675
00:54:39,109 --> 00:54:44,698
コンラッドに 子供たちも 
彼が大好きだと伝えたら—

676
00:54:45,907 --> 00:54:47,951
一緒に暮らすことになった

677
00:54:49,995 --> 00:54:54,374
アレックスが死んで１年後
彼が引っ越してきたわ　　

678
00:54:57,961 --> 00:55:03,466
アレックスがいた場所に　　
住むのはどんな気分だった？

679
00:55:07,804 --> 00:55:09,347
そうだな

680
00:55:10,015 --> 00:55:13,768
それを強要されたわけでも
ないし…　　　　　　　　

681
00:55:14,269 --> 00:55:15,061
僕には…

682
00:55:18,106 --> 00:55:21,318
いたって自然なことだった

683
00:55:21,526 --> 00:55:24,404
〝現行犯逮捕！〟

684
00:55:26,197 --> 00:55:29,909
あのころのことは
よく覚えてる　　

685
00:55:30,243 --> 00:55:33,455
コンラッドのことも—

686
00:55:33,621 --> 00:55:37,459
すぐに父親として
受け入れられた　

687
00:55:38,335 --> 00:55:39,002
何もかも—

688
00:55:40,503 --> 00:55:42,714
あっという間だった

689
00:55:46,426 --> 00:55:48,887
すぐに受け入れられた
理由は？　　　　　　

690
00:55:50,597 --> 00:55:54,225
僕の記憶では　　
まるでスイッチを—

691
00:55:54,934 --> 00:55:57,854
切り替えるような感覚だった

692
00:55:58,480 --> 00:55:59,522
分かるか？

693
00:55:59,647 --> 00:56:00,440
ああ

694
00:56:02,609 --> 00:56:07,072
なぜかな　　　　　　
考えてみると不思議だ

695
00:56:14,829 --> 00:56:18,124
アレックスが どう思うか
考えたことは？ 　　　　

696
00:56:19,959 --> 00:56:21,252
あるわ

697
00:56:21,836 --> 00:56:24,464
何度も考えて 夢まで見たわ

698
00:56:24,672 --> 00:56:29,594
アレックスが　　　　
生きて帰ってくる夢よ

699
00:56:29,719 --> 00:56:33,181
彼が目の前に現れて
こう思ったわ　　　

700
00:56:33,390 --> 00:56:37,185
〝コンラッドがいるのに
どうしよう〟　　　　　

701
00:56:37,352 --> 00:56:41,106
コンラッドも同じような夢を
見たそうよ　　　　　　　　

702
00:56:46,653 --> 00:56:47,737
僕が撮る

703
00:56:47,862 --> 00:56:48,655
そうか

704
00:56:48,988 --> 00:56:50,198
ここは どこ？

705
00:56:51,533 --> 00:56:52,200
イタリア

706
00:56:52,325 --> 00:56:53,451
ここで何を？

707
00:56:53,701 --> 00:56:54,619
結婚式

708
00:56:54,702 --> 00:56:55,787
誰の？

709
00:56:56,246 --> 00:56:57,497
あなたとママ

710
00:56:59,124 --> 00:57:03,962
私は〝みんなの結婚式〟
という認識だった　　　

711
00:57:04,796 --> 00:57:07,006
家族になる儀式

712
00:57:08,258 --> 00:57:13,012
今日 我々はコンラッドと
ジェニファーを—　　　　

713
00:57:13,388 --> 00:57:17,892
祝福するため　　　
ここに集まりました

714
00:57:18,017 --> 00:57:19,978
中傷もされた？

715
00:57:20,603 --> 00:57:25,608
ひどいことを言う人たちは
いたわね　　　　　　　　

716
00:57:25,942 --> 00:57:28,361
ジェニーとコンラッドは—

717
00:57:28,570 --> 00:57:31,531
ここに婚姻関係を結び…

718
00:57:31,698 --> 00:57:36,161
〝再婚するのが
早すぎる〟とか—

719
00:57:36,703 --> 00:57:39,330
〝長続きしない〟とかね

720
00:57:39,539 --> 00:57:40,665
コンラッド

721
00:57:42,375 --> 00:57:47,464
あなたが 現れてくれたから
また私は—　　　　　　　　

722
00:57:47,881 --> 00:57:49,966
人を愛することができた

723
00:57:50,467 --> 00:57:53,761
〝軽はずみに　　　
遺族に関わって—〟

724
00:57:54,721 --> 00:57:57,724
〝また傷つける気か〟と
言う人もいた　　　　　

725
00:57:59,684 --> 00:58:03,605
今日 私は　　　　
あなたの夫となり—

726
00:58:04,355 --> 00:58:09,068
アレックスの息子たちの
父親として　　　　　　

727
00:58:10,111 --> 00:58:12,822
永遠の愛を誓います

728
00:58:14,908 --> 00:58:17,660
〝以前から　　　　　
不倫関係だったのか〟

729
00:58:17,869 --> 00:58:20,997
そんな中傷もされたけど—

730
00:58:22,290 --> 00:58:23,041
構わなかった

731
00:58:24,542 --> 00:58:28,254
二人の愛の力により　
ここに結婚を認めます

732
00:58:37,639 --> 00:58:39,390
幸せだった

733
00:58:40,850 --> 00:58:43,311
まるで奇跡みたいにね

734
00:58:43,436 --> 00:58:44,020
笑って！

735
00:58:44,229 --> 00:58:46,773
面白い顔してる

736
00:58:48,483 --> 00:58:50,610
海を眺めながら—

737
00:58:52,362 --> 00:58:54,280
新たな人生が始まった

738
00:58:56,991 --> 00:58:58,409
いいぞ サム

739
00:58:59,285 --> 00:59:02,872
アレックスが基礎を築き
僕たちが引き継いだ　　

740
00:59:06,584 --> 00:59:07,085
危ないぞ

741
00:59:10,213 --> 00:59:11,089
ジェニー！

742
00:59:11,714 --> 00:59:13,508
眺めは どうだ？

743
00:59:13,758 --> 00:59:15,885
泥が気に入った？

744
00:59:19,180 --> 00:59:20,848
眠れたか？

745
00:59:32,277 --> 00:59:35,488
おとぎ話の結末みたいでしょ

746
00:59:36,364 --> 00:59:39,200
周りの人も幸せな気分に
なるし—　　　　　　　

747
00:59:40,034 --> 00:59:41,828
私も幸せだった

748
00:59:42,662 --> 00:59:47,959
竜の背中に乗って　　　　
飛び去る結末でもよかった

749
00:59:54,340 --> 00:59:56,884
〝アンカー／ロウ〟

750
00:59:57,260 --> 01:00:01,264
まずアップルパイと　　
パンプキンパイを作るわ

751
01:00:01,848 --> 01:00:02,473
いい？

752
01:00:02,640 --> 01:00:05,518
料理番組も撮ろうか？

753
01:00:11,065 --> 01:00:12,525
髪を束ねてくれる？

754
01:00:12,692 --> 01:00:14,360
いいよ　任せて

755
01:00:14,485 --> 01:00:16,195
うっかりしてたわ

756
01:00:16,529 --> 01:00:17,864
頭を後ろに

757
01:00:18,239 --> 01:00:21,701
よし　これで編めるぞ

758
01:00:34,505 --> 01:00:36,341
当初 コンラッドは—

759
01:00:36,466 --> 01:00:41,596
〝もう高い山に登る気には
なれない〟と言ってた　　

760
01:00:43,806 --> 01:00:49,062
山が 私たち家族の人生を
変えてしまったからよ 　

761
01:00:51,356 --> 01:00:54,859
あのころの彼は
そう考えてた　

762
01:00:55,276 --> 01:00:57,236
でも やがて—

763
01:00:57,987 --> 01:01:02,408
また彼は 山に 　　　
呼び寄せられていった

764
01:01:10,833 --> 01:01:13,503
彼の魂が 山を求めてた

765
01:01:14,504 --> 01:01:16,506
それが山男だと思う

766
01:01:23,721 --> 01:01:25,181
やったな

767
01:01:25,640 --> 01:01:29,185
彼が登山を続けることを
どう思った？　　　　　

768
01:01:30,895 --> 01:01:35,817
そこはアレックスと
よく似てると思った

769
01:01:38,861 --> 01:01:42,949
好きなことは　　　　　
諦められないんだと思う

770
01:01:49,122 --> 01:01:51,541
コンラッドを失う不安は？

771
01:01:53,000 --> 01:01:55,002
もちろんあったよ

772
01:01:55,837 --> 01:01:58,673
もし彼も　　　　　　
アレックスみたいに—

773
01:01:58,798 --> 01:02:02,719
遠征中に死んだら　　
どうしようって考えた

774
01:02:03,803 --> 01:02:06,097
すごく不安になった

775
01:02:15,815 --> 01:02:17,859
養子縁組のことは？

776
01:02:18,568 --> 01:02:22,864
アイザックと僕とママは
姓を変更したけど—　　

777
01:02:23,197 --> 01:02:26,784
兄さんだけ〝ロウ〟を選んだ

778
01:02:29,704 --> 01:02:32,832
なぜかは分からないけどね

779
01:02:35,293 --> 01:02:36,294
僕も—

780
01:02:37,420 --> 01:02:40,006
なぜか分からない

781
01:02:41,549 --> 01:02:45,094
〝２０１７年６月18日
父の日〟

782
01:02:48,598 --> 01:02:51,684
こっちの肉 ひっくり返す？

783
01:02:53,478 --> 01:02:54,854
ジューシーだね

784
01:02:55,396 --> 01:02:58,024
〝パパ〟と呼ぶなら
どっち？　　　　　

785
01:03:00,485 --> 01:03:02,653
僕はコンラッドだな

786
01:03:04,572 --> 01:03:07,200
アレックスは　　　　　　
〝アレックス〟と呼んでる

787
01:03:08,534 --> 01:03:11,120
パパはコンラッドだけだ

788
01:03:12,205 --> 01:03:13,915
サムね

789
01:03:14,415 --> 01:03:18,544
４年ぐらい いつも帽子を
かぶってた　　　　　　

790
01:03:18,961 --> 01:03:20,505
これ見て

791
01:03:20,671 --> 01:03:25,468
〝僕たちを愛してくれて
ありがとう〟　　　　　

792
01:03:25,885 --> 01:03:27,220
〝サムより〟

793
01:03:27,678 --> 01:03:30,848
僕らの父親はコンラッドだよ

794
01:03:31,265 --> 01:03:32,517
懐かしいな

795
01:03:32,809 --> 01:03:36,479
兄さんは違うかもね　　
４年 早く生まれてるから

796
01:03:36,896 --> 01:03:38,231
マックスだ

797
01:03:38,815 --> 01:03:42,068
コンラッドは その違いに
気づいてるかな　　　　

798
01:03:43,694 --> 01:03:44,570
ああ

799
01:03:45,488 --> 01:03:48,991
何度も その話を
したことがある

800
01:03:49,408 --> 01:03:54,664
〝息子たちの父親に　　　
なってくれて ありがとう〟

801
01:03:49,408 --> 01:03:54,664
〝パパに感謝をこめて〟

802
01:03:54,872 --> 01:03:59,836
〝思い出の数々が　　　　
家族を１つにしてくれた〟

803
01:04:00,002 --> 01:04:03,005
〝父の日に感謝をこめて
ジェニー〟　　　　　　

804
01:04:08,636 --> 01:04:09,846
最高だ

805
01:04:10,012 --> 01:04:15,601
亡きアレックスの妻と結婚し
彼の息子たちを育てた　　　

806
01:04:16,269 --> 01:04:20,022
アレックスの影と　　　
暮らしてるようなものだ

807
01:04:20,982 --> 01:04:21,983
それでも—

808
01:04:23,568 --> 01:04:26,612
自分にできることを
やってきた　　　　

809
01:04:39,625 --> 01:04:41,168
君は僕の息子だ

810
01:04:42,128 --> 01:04:45,256
僕には この家族しかいない

811
01:04:49,844 --> 01:04:51,470
アレックスは死んだ

812
01:04:52,471 --> 01:04:54,307
彼の死を—

813
01:04:54,515 --> 01:04:56,851
僕も乗り越えたんだ

814
01:05:00,021 --> 01:05:01,772
そして家族になった

815
01:05:05,026 --> 01:05:07,236
それが運命だったんだ

816
01:05:16,370 --> 01:05:18,539
彼は戻ってこなかった

817
01:05:27,757 --> 01:05:34,013
2016年４月　　　　
チベット　ヒマラヤ

818
01:05:35,723 --> 01:05:40,311
2016年 シシャパンマの 　
南側から登った時のことだ

819
01:05:41,395 --> 01:05:45,191
天候に恵まれ　　　
青空が広がっていた

820
01:05:45,274 --> 01:05:46,984
遠くには—

821
01:05:47,151 --> 01:05:51,322
6000メートル級の山々が
連なっていた　　　　　

822
01:05:51,656 --> 01:05:54,909
景色の中に見える色は—

823
01:05:53,074 --> 01:05:59,080
登山家
デヴィッド･
ゴエットラー

824
01:05:55,201 --> 01:05:59,080
すべて自然の色だ
どこを見ても白と—

825
01:05:59,288 --> 01:06:02,792
黒と茶色　　　
岩の色しかない

826
01:06:06,587 --> 01:06:10,341
その中に 別の色の
点々が見えた 　　

827
01:06:11,884 --> 01:06:13,219
雪の中にね

828
01:06:13,427 --> 01:06:18,724
ああいう環境で行動してると
すぐに違和感に気づく　　　

829
01:06:19,558 --> 01:06:22,937
あの環境にはない色だからね

830
01:06:28,150 --> 01:06:33,114
私たちは 結婚記念日を
祝ったばかりだった 　

831
01:06:35,783 --> 01:06:37,076
そして—

832
01:06:38,077 --> 01:06:41,122
ゴエットラーから　
電話がかかってきた

833
01:06:42,915 --> 01:06:47,753
コンラッドの顔を見て　
深刻な話だと分かったわ

834
01:06:49,588 --> 01:06:53,217
電話を切った彼は私に言った

835
01:06:54,010 --> 01:06:57,471
〝ゴエットラーが
遺体を見つけた〟

836
01:06:57,555 --> 01:06:59,306
〝間違いないそうだ〟

837
01:07:02,852 --> 01:07:05,438
16年前
雪崩にのまれた—

838
01:07:05,563 --> 01:07:10,026
登山家とカメラマンの
遺体が—

839
01:07:10,192 --> 01:07:12,278
山中で発見されました

840
01:07:32,631 --> 01:07:34,800
あの時 何を考えてた？

841
01:07:37,595 --> 01:07:42,266
彼が生き返って　　　　　
戻ってきたような気がした

842
01:07:43,100 --> 01:07:44,185
そうだね

843
01:08:04,413 --> 01:08:06,415
怖かったわ

844
01:08:07,249 --> 01:08:12,171
17年ぶりに彼に会ったら
どうなるのか　　　　　

845
01:08:25,101 --> 01:08:29,480
周りには 息をのむような
絶景が広がってた 　　　

846
01:08:30,940 --> 01:08:33,484
でも そこにいる理由を
考えると— 　　　　　

847
01:08:35,236 --> 01:08:37,029
楽しめなかった

848
01:08:57,049 --> 01:08:59,260
チベットは嫌いだった

849
01:09:00,052 --> 01:09:02,054
でも行ってみたら—

850
01:09:05,182 --> 01:09:08,227
アレックスの気持ちが
分かったわ　　　　　

851
01:09:10,479 --> 01:09:12,022
山に対する—

852
01:09:13,399 --> 01:09:15,860
怒りは消えていた

853
01:09:46,849 --> 01:09:52,354
チベット　シシャパンマ
ベースキャンプ　　　　

854
01:10:10,039 --> 01:10:11,624
あっちはイヤだな

855
01:10:13,125 --> 01:10:16,921
どっちに下ったか
覚えてるか？　　

856
01:10:17,004 --> 01:10:19,673
もっと上にいたのかな

857
01:10:20,799 --> 01:10:22,885
つらい作業だった

858
01:10:23,093 --> 01:10:28,724
〝アレックス･ロウ
１９９９年10月５日没〟

859
01:10:25,221 --> 01:10:28,724
生存者としての
罪悪感や—

860
01:10:28,849 --> 01:10:29,892
〝父親〟

861
01:10:30,059 --> 01:10:32,770
自責の念が押し寄せてきた

862
01:10:34,104 --> 01:10:36,857
なぜ生き残ったのが—

863
01:10:39,276 --> 01:10:41,487
自分だったのか

864
01:11:33,998 --> 01:11:35,749
距離は？

865
01:11:37,001 --> 01:11:38,961
5.22キロだ

866
01:11:39,503 --> 01:11:41,088
それじゃ—

867
01:11:42,006 --> 01:11:44,466
山の反対側ってことか

868
01:11:46,135 --> 01:11:48,095
このまま進もう

869
01:11:48,846 --> 01:11:50,764
僕だけ遅れて合流した

870
01:11:52,933 --> 01:11:56,270
まだ遺体と対面する覚悟が—

871
01:11:59,273 --> 01:12:02,192
できてなかったんだ

872
01:12:24,840 --> 01:12:27,051
ストレッチャーで
運ばれてきたね　

873
01:12:27,593 --> 01:12:29,595
そこで覚悟ができた？

874
01:12:29,720 --> 01:12:30,637
ああ

875
01:12:45,110 --> 01:12:46,153
マックス

876
01:14:22,833 --> 01:14:27,671
ずっと見つからなかった彼が
その袋に入ってた　　　　　

877
01:14:34,052 --> 01:14:39,349
17年も経ってるのに　　
遺体は腐敗してなかった

878
01:14:41,351 --> 01:14:43,312
ベストが破れてる

879
01:14:44,188 --> 01:14:46,023
胸を見て

880
01:14:46,940 --> 01:14:49,860
こうやって　　　　　
頭を下げた姿勢だった

881
01:14:50,736 --> 01:14:55,032
雪崩については
勉強したから—

882
01:14:55,199 --> 01:14:59,703
遺体を見て　　　
状況が分かったわ

883
01:14:59,912 --> 01:15:02,706
埋もれた直後は生きていて—

884
01:15:03,123 --> 01:15:06,543
窒息したんだと思う

885
01:15:08,045 --> 01:15:13,634
恐らく２～３分は
生きていたのよ　

886
01:15:21,975 --> 01:15:27,981
彼の結婚指輪は 　
胸に めり込んでた

887
01:15:37,616 --> 01:15:39,952
彼の腕をとって—

888
01:15:42,037 --> 01:15:45,624
指から指輪を抜き取った

889
01:15:49,294 --> 01:15:53,674
私が その指にはめた
同じ結婚指輪をね　

890
01:15:53,882 --> 01:15:56,677
すごく つらかったけど—

891
01:15:58,762 --> 01:16:01,473
指輪は持って帰りたかった

892
01:16:03,350 --> 01:16:08,438
だから自分の指にはめて　
手を彼の手と合わせてみた

893
01:16:09,064 --> 01:16:11,608
大きかった彼の手は—

894
01:16:11,733 --> 01:16:15,279
17年の間に縮んでしまってた

895
01:16:15,737 --> 01:16:18,699
私の手と同じ大きさにね

896
01:16:21,243 --> 01:16:27,040
だけど それは紛れもなく
彼の手だったから—　　　

897
01:16:27,541 --> 01:16:32,462
自分の手と合わせて
お別れを言った　　

898
01:17:15,631 --> 01:17:19,134
自分のヒーローだった人の—

899
01:17:20,510 --> 01:17:22,554
遺体と対面なんて…

900
01:17:26,391 --> 01:17:27,893
想定外だった

901
01:17:38,403 --> 01:17:42,949
スーパーマンだと思ってた
アレックスのイメージは—

902
01:17:43,158 --> 01:17:44,993
砕け散った

903
01:17:47,204 --> 01:17:49,247
彼も ただの人間だった

904
01:18:10,602 --> 01:18:14,523
〝アレックス･ロウ〟

905
01:18:36,169 --> 01:18:38,714
何も写ってないかもね

906
01:18:38,880 --> 01:18:41,049
メモリーカードが入ってた

907
01:18:42,926 --> 01:18:45,011
拭いたほうがいいな

908
01:18:50,684 --> 01:18:53,311
何にでも名前を書くのよ

909
01:18:54,271 --> 01:18:56,356
コンラッドも そうよね

910
01:18:57,023 --> 01:18:59,860
なくしても戻ってくるように

911
01:18:59,985 --> 01:19:00,819
そうね

912
01:19:01,820 --> 01:19:04,239
真実が写ってるかな

913
01:19:04,448 --> 01:19:05,532
見てみよう

914
01:19:07,117 --> 01:19:08,243
いくよ

915
01:19:14,166 --> 01:19:15,751
マックス宛てね

916
01:19:17,085 --> 01:19:20,338
僕に送ってくれた　
バースデーカードだ

917
01:19:21,339 --> 01:19:23,759
あれが最後だったわね

918
01:19:33,143 --> 01:19:34,978
気持ちいいわね

919
01:19:35,145 --> 01:19:36,772
〝おはよう　マックス〟

920
01:19:38,064 --> 01:19:41,276
〝シェルパと朝食を
食べながら—〟　　

921
01:19:41,443 --> 01:19:44,112
〝自宅の朝を思い出してる〟

922
01:19:45,822 --> 01:19:48,575
〝朝食はパンケーキか
ワッフル？〟　　　　

923
01:19:51,036 --> 01:19:55,540
〝この村には 君たちと
同世代の子供が多い〟 

924
01:19:55,665 --> 01:19:57,375
〝Ａアレックス＋Ｊジェニファー〟

925
01:19:57,501 --> 01:20:00,086
〝箱をそ●り●にして滑ってる〟

926
01:20:01,087 --> 01:20:04,341
〝食後はエベレストまで
散歩だ〟　　　　　　　

927
01:20:05,050 --> 01:20:07,719
〝２０００年
Ｊジェニファー＆Ｃコンラッド〟

928
01:20:06,426 --> 01:20:07,719
〝今日の予定は？〟

929
01:20:10,889 --> 01:20:12,307
〝会いたいな〟

930
01:20:13,308 --> 01:20:16,186
〝愛してるよ　
早く帰りたい〟

931
01:20:16,311 --> 01:20:18,647
〝楽しい誕生日を〟

932
01:20:19,231 --> 01:20:20,398
〝パパより〟

933
01:20:20,482 --> 01:20:23,235
1993年の手紙ね

934
01:20:23,318 --> 01:20:27,781
〝昨夜は 明るい満月を
見ていたら—〟　　　　

935
01:20:27,906 --> 01:20:29,866
〝君を思い出した〟

936
01:20:30,116 --> 01:20:35,288
〝君にも見えるといいな
愛してるよ〟　　　　　

937
01:20:35,872 --> 01:20:38,583
彼が歌ってたのを覚えてる？

938
01:20:38,750 --> 01:20:39,417
ああ

939
01:20:39,626 --> 01:20:40,669
歌って

940
01:20:40,836 --> 01:20:45,298
〝月を見れば 月も僕を見る
あの子のことも見るだろう〟

941
01:20:47,551 --> 01:20:51,012
手紙を全部　　　
保管してるなんて—

942
01:20:51,096 --> 01:20:52,514
信じられない

943
01:20:53,056 --> 01:20:57,477
コンラッドが　　　　　　
全部とっておけと言ったの

944
01:20:57,686 --> 01:21:01,731
私よりコンラッドのほうが—

945
01:21:02,023 --> 01:21:05,819
アレックスに　　
固執してたと思う

946
01:21:07,404 --> 01:21:08,780
コンラッドからだ

947
01:21:12,951 --> 01:21:14,244
見せて

948
01:21:16,413 --> 01:21:19,249
〝ジェニー　　　　　
どうか元気を出して〟

949
01:21:19,416 --> 01:21:20,584
〝君たちを—〟

950
01:21:22,335 --> 01:21:25,672
〝思い出さない日はない〟

951
01:21:26,047 --> 01:21:28,425
〝時々 つらくなるんだ〟

952
01:21:28,592 --> 01:21:34,306
〝泣きながら眠り　　　　　
目を覚ますと死にたくなる〟

953
01:21:34,848 --> 01:21:37,517
〝君たちが心の支えだ〟

954
01:21:37,684 --> 01:21:41,229
〝君たちの力になりたい〟

955
01:21:41,479 --> 01:21:46,401
〝子供たちが大人になるまで
成長を見守ることがー〟　　

956
01:21:47,360 --> 01:21:51,323
〝僕の人生の目標なんだ〟

957
01:21:52,949 --> 01:21:54,200
アレックスが—

958
01:21:55,118 --> 01:21:58,413
亡くなって１ヵ月後の手紙よ

959
01:22:03,835 --> 01:22:05,795
彼は これを実行した

960
01:22:24,564 --> 01:22:26,566
よく分かったよ

961
01:22:31,780 --> 01:22:36,743
僕も愛してるって　
彼に伝えたくなった

962
01:22:41,706 --> 01:22:43,208
ママにもね

963
01:22:48,672 --> 01:22:51,257
待って　こっちの手よ

964
01:22:51,716 --> 01:22:55,011
アレックスに似て
大きな手ね　　　

965
01:23:05,772 --> 01:23:10,402
もう１つ あなたにも
分かってほしい 　　

966
01:23:10,694 --> 01:23:16,908
大切な人を失っても人は
また誰かを愛せるのだと

967
01:23:21,287 --> 01:23:23,665
アレックスは幸運な人よ

968
01:23:25,792 --> 01:23:30,255
自分を大切に思っていた
親友が—　　　　　　　

969
01:23:32,173 --> 01:23:34,134
私を愛してくれた

970
01:23:35,969 --> 01:23:38,054
息子たちのことも

971
01:23:39,014 --> 01:23:40,140
いいぞ

972
01:23:45,311 --> 01:23:47,772
本当にラッキーな人

973
01:23:49,190 --> 01:23:53,611
私たちはコンラッドと　
いろんなことに挑戦した

974
01:23:54,029 --> 01:23:55,739
すばらしい日々だった

975
01:23:58,283 --> 01:24:02,537
僕たち２人の間には—

976
01:24:07,083 --> 01:24:09,169
壁があったよね

977
01:24:10,045 --> 01:24:12,380
なんだか怖くて—

978
01:24:12,547 --> 01:24:16,051
話せなかったことがあるんだ

979
01:24:18,762 --> 01:24:22,223
僕たち家族と　　　
アレックスのことだ

980
01:24:23,141 --> 01:24:27,979
アレックスのことを　
考えなかった日はない

981
01:24:28,146 --> 01:24:31,691
いつも彼のことを
思い出してた　　

982
01:24:32,650 --> 01:24:34,360
つらくなかった？

983
01:24:34,694 --> 01:24:36,154
時々—

984
01:24:37,489 --> 01:24:38,948
苦しくなった

985
01:24:39,741 --> 01:24:42,994
自分と彼を比べ　
彼の影に怯えてた

986
01:24:43,161 --> 01:24:46,748
すばらしい人だったからね

987
01:24:46,998 --> 01:24:51,795
完璧じゃなくても　　　
亡くなった人は美化され—

988
01:24:51,961 --> 01:24:55,423
ヒーローみたいに　
思われるようになる

989
01:24:56,049 --> 01:24:58,510
だから いつも…

990
01:24:58,593 --> 01:25:01,805
自分が死ねばよかったと
思う？　　　　　　　　

991
01:25:01,971 --> 01:25:04,724
そうだ 　だからいつも…

992
01:25:07,268 --> 01:25:11,773
考え過ぎて 自殺願望が
発動しないようにしてた

993
01:25:13,858 --> 01:25:15,068
だが…

994
01:25:15,235 --> 01:25:18,822
僕らを救ったヒーローだと
思われてるよ　　　　　　

995
01:25:19,531 --> 01:25:21,324
それは どう思う？

996
01:25:26,037 --> 01:25:29,916
自分では そんなふうに
思えない　　　　　　

997
01:25:30,125 --> 01:25:31,000
そんな…

998
01:25:32,627 --> 01:25:33,628
無理だ

999
01:25:35,421 --> 01:25:39,134
自分なりに　　　　
頑張ったつもりだが…

1000
01:25:40,260 --> 01:25:43,888
確かに アレックスの影が
消えることはない　　　

1001
01:25:44,430 --> 01:25:46,641
でも僕たちにとって—

1002
01:25:49,602 --> 01:25:51,271
あなたは父親だ

1003
01:25:55,775 --> 01:26:00,155
これ以上ないほど　　
すばらしい父親だった

1004
01:26:02,323 --> 01:26:04,534
心から感謝してる

1005
01:26:16,421 --> 01:26:17,130
パパ

1006
01:26:17,255 --> 01:26:18,381
愛してるよ

1007
01:27:13,561 --> 01:27:18,942
モンタナ州ボーズマン　
アレックス･ロウ･ピーク

1008
01:27:20,860 --> 01:27:22,111
みんな

1009
01:27:23,029 --> 01:27:27,784
これは遺灰というより
彼の骨の一部よ　　　

1010
01:27:28,660 --> 01:27:31,162
ひとつかみずつ取って

1011
01:27:37,085 --> 01:27:39,295
今日は いい日だったか？

1012
01:27:41,214 --> 01:27:43,383
はるかチベットから—

1013
01:27:44,550 --> 01:27:45,927
戻ってきたわね

1014
01:27:46,052 --> 01:27:47,053
サムも

1015
01:27:48,721 --> 01:27:50,348
スキーの楽しいところは？

1016
01:27:50,640 --> 01:27:51,641
滑り降りること

1017
01:27:51,849 --> 01:27:52,767
そうか

1018
01:27:53,851 --> 01:27:55,520
彼のことは—

1019
01:27:56,646 --> 01:27:58,773
死ぬまで忘れない

1020
01:27:59,649 --> 01:28:01,651
家族だから

1021
01:28:01,901 --> 01:28:04,237
やあ　会えてうれしいよ

1022
01:28:07,282 --> 01:28:09,284
愛してるわ

1023
01:28:49,282 --> 01:28:53,745
アレックス･ロウと　　　
デヴィッド･ブリッジス—

1024
01:28:53,828 --> 01:28:56,706
すべての遭難者に捧げる

1025
01:29:29,489 --> 01:29:35,411
２０１９年
ロウらの慈善財団が

1026
01:29:35,453 --> 01:29:41,626
ネパールに
登山学校を設立

1027
01:29:41,834 --> 01:29:43,336
すばらしいわ

1028
01:29:52,053 --> 01:29:55,515
アレックスが
愛したシェルパに

1029
01:29:55,681 --> 01:29:58,851
安全な登山を
指導していく

1030
01:29:59,644 --> 01:30:01,979
この施設は—

1031
01:30:02,397 --> 01:30:06,818
登山者の安全を守るために
建設されました　　　　　

1032
01:30:06,901 --> 01:30:10,655
関係者の皆様に感謝します

1033
01:30:15,159 --> 01:30:17,495
夢が形になりました

1034
01:31:40,036 --> 01:31:42,038
日本版字幕　伊藤 幸子

